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2007年 11月 05日

イズミヤのアパレル発注システムに思う

11月5日の日経MJに衣料品が強いイズミヤのIT活用方法が紹介されていました。同社では2005年から携帯端末を使った発注システムを導入されており、サイズ、カラー別に在庫管理を行っておられるそうです。そして今年の7月からはその端末で発注もできるようにされたそうで、従来は発注可能数量を書いた大量の書類と売場の在庫を見ながら発注数量をメモし、事務所で端末に入力するという作業だったのですが、これがバーコードを読み取り、発注もできるようになり、発注作業は3割削減できたそうです。

同社では今後、このリアルタイムで在庫管理ができる端末を利用することで、売れ残りをなくし、粗利益率を改善させていきたいと考えておられるそうです。

記事を見て正直思ったのは、残念ながらこのシステムでは粗利益率を改善することは難しいということです。

衣料品の粗利益率低下要因は値下げによるところが大きいわけですが、これは発注作業が削減されても改善できる問題ではありません。

衣料品はシーズン前にその期間の販売見込み数量を発注するケースがほとんどです。つまり補充できる数量や販売できる数量はシーズン前にほぼ決まっているのが現状で、発注作業を削減して、納入リードタイムを短縮できたとしても、欠品は削減できますが、シーズン末に残る不振在庫を少なくすることには役立たないと思います。

食品や日用品のように売れたらどんどん補充できる商品ならシステムを活用することで、補充発注の精度を高めることは可能だと思いますが、前もって生産しておく必要がある衣料品では補充精度を高めることが期末の不良在庫を減らすことにはつながらないのです。

そうすると、前年実績や天候、今年のトレンド傾向などを加味し、シーズン前にどの程度発注すれば良いのか、計画の手助けをしてくれるシステムこそが不振在庫を少なくするシステムだと言えるのですが、今回の記事に掲載されいたシステムは現場の発注作業の軽減を目的としていますので、そもそもそのような計画精度を高めることは無理な話だというのが私の考えです。

こういった問題はほとんど企業にある問題だと思いますが、私自身は大変な大きな問題だと考えています。それは多額の投資額が必要な情報システムが経営課題ではなく、現場作業の問題解決にしかつながっていないということが言えるからです。

現場作業を軽視しているわけではありませんが、情報システム投資はその金額の大きさから、場合によっては株主や金融機関などのステークホルダーにも説明が必要なこともあります。そのような投資案件が作業削減だけで終わっているようでは投資効果を考えるとステークホルダーが納得しないことは明白ではないでしょうか。

このような問題が起こるのは情報システムの使用目的が不明確なことが主たる原因で、その理由は、情報システム部門には技術志向で経営課題への関心が低い人が多く、また業務部門には情報システムの知識に乏しい人が多いためであり、認識ギャップが大きすぎて最も大切なシステムで何を実現するかを不明確にしているのです。

このような大企業でも情報システムの活用はまだ現場の作業改善レベルが現状ですから、今後もますますシステムを開発するのではなく、活用して経営課題を解決するスペシャリストに対するニーズは高まっていくものと確信しています。



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by operationdesign | 2007-11-05 23:48 | IT活用


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