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2006年 08月 19日

フタタとコナカの統合にみる新たなM&A戦略

皆さん、こんにちわ。暑中お見舞い申し上げます。お盆休みはいかがお過ごしでしょうか?このブログも一週間ほどお休みしましたが、本日より再開いたしますので、今後ともよろしくお願いします。

【昨日・今日の業界ニュース】
●フタタ、コナカと経営統合・はるやま抜き業界3位に
●ダイエーの樋口社長が退任へ
●マツモトキヨシ、広島の小売りと5社目のFC契約
●7月の百貨店売上高、4カ月連続で前年割れ
●ファストリ、キャビンへのTOB成立・持ち株比率51.6%に
●大手コンビニ、中国出店減速・都市部で競合、賃料も高騰


【コラム】
お盆休みの期間中の大きな業界ニュースといえばAOKIホールディングズのフタタへのTOB提案です。ライブドアや楽天のTOBによりM&Aの常套手段して定着した感のあるTOBですが、今回のTOB提案は過去のものと少し様子が違うように思えます

TOBというと敵対的買収に使われるようなイメージがあります。実際ライブドアや楽天もそうでしたし、小売業ではドンキホーテとオリジン東秀もそうです。

これは買収側の経営陣の了解なく市場で株式を購入したためであり、今回のAOKIホールディングスはこの方法ではなく、経営陣にTOBによる経営統合案を提示し、了解を得れば株式公開買付けを実施するものあり、この点が従来のような敵対的買収によるTOBと違いところです。

極めて紳士的なやり方であり、従来の敵対的TOBに比べどちらか一方のステークホルダーにのみ利益があるようなやり方ではないので、多くのステークホルダーに納得を得ることができるやり方であり、AOKIホールディングズの青木社長の自社のことだけでなく、両社、もっと言えば業界全体を視野に入れたM&Aに大変、感銘を受けました。今回のやり方が一般的になることに期待したいと思います

8月19日の日経新聞にはフタタはAOKI案を受け入れず、コナカ案を受け入れると発表されています。
コナカ案がAOKI案と違う点は
□TOBではなく株式交換による完全子会社化
□不採算店への収益改善が営業力アップ(アオキ案はスクラップ)

大きくはこの2点ですが、フタタは金融機関と相談し、①従来から信頼関係があること②システムが共通している③企業文化の親和性がある
という3点からコナカ案を選択したようです。

経営統合案の具体的な内容は公表されていませんので、コナカ案による営業力回復がどの程度見込めるかという説明がなく、ステークホルダーにとっては非常に曖昧な説明ではないかと思います。また、従来から資本関係があるにも関わらず売上不振の店舗を多く抱えているフタタがコナカの完全子会社になることで売上がアップするのかは疑問に思えます。

それにも関わらず早々とTOB案を撤回された青木社長にはステークホルダーに対する責任を持たれている姿勢を非常に感じます。
青木社長はフタタとコナカにエールを送られていましたが、私も含め多くの人が青木社長の英断にエールを送られているのは間違いありません。



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by operationdesign | 2006-08-19 08:03 | 経営者、経営戦略


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