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2006年 04月 04日

ウォルマートの効率経営にかげり

皆さん、こんにちわ。いつもお読み頂きありがとうございます。
このブログは小売業で働く方やその業界に関連する方々に日経ニュースを仕事に役立つ情報にしてもらうことを目的に運営しております。できるだけデイリーで更新していきたいと思っています。末永くよろしくお願いします。

【業界ニュース】
●イオン、ダイヤシティ株をTOBで取得・1株5500円で
●阪急百貨店、福岡進出でJR九州と正式合意
●丸井の前期、連結経常21%増
●ホーマックの前期、経常益85%増の59億円
●オークワの前期、純利益84%増の35億円
●西松屋チェーンの前期単独経常益、11期連続で過去最高
●ドトールの07年3月期、経常益横ばい
●米企業売上高1位はエクソンモービル・米誌

【コラム】
今日は、業績発表のニュースが多かったです。発表された各社とも増益のニュースで、その原因は取引先との情報共有やPB商品拡充、人的効率向上など各社により様々な理由であることが面白かったです。

上のリンク記事にはありませんが、本日の日経新聞に圧倒的な強さを見せていたウォルマートのビジネスモデルと出店戦略にかげりが出ている記事がありました。
記事によると、過去9ヶ月で住民の反対や新たな大型店を規制する法律などでウォルマートが出店をあきらめた件数は20ヶ所を超えたようです。同社の出店を反対する世論の原因は、ウォルマートが中国から調達した商品の総額は米国に対中貿易赤字の1割にものぼることと同社の従業員の医療保険の負担額が不十分であることによるようです。

ウォルマートの効率経営にかげり_f0035923_1617670.jpg

そのような背景から米国の製造業の空洞化と賃金水準の低下につながるという理由でバッシングを受けているようです。
ITを活用し徹底的に店舗運営コストを下げ、同業他社よりも売価を引き下げる。これは同社のエブリデイロープライスを支えるビジネスモデルでありますが、世間の批判を受け変えざるを得ない切羽詰った状況に追い込まれているように見えます。

低価格を売りにしたチェーンストアの出店戦略はスクラップアンドビルドが基本です。
激しく環境が変化した店舗は改装や既存店売上対策などコストをかけて施策を実行するよりも、スクラップし鞍替え出店したほうが簡単に売上が高まるという考え方です。

ローコストオペレーション・低価格追求型チェーンであるからできる戦略ですし、投資の優先順位のことであり、現場レベルの営業対策が不要であるわけでもありません。
また、ファッションなど付加価値サービスを提供しているチェーンにはあまり向きませんので誤解なく。

出店に規制がかかると、店舗年齢は増加してきます。
多店舗展開される企業なら店舗年齢という指標を管理されているかと思いますが、私の感覚では5年に1回程度は改装しないと周りにできる新しい店と比較するとかなり古びた店に見えるように思います。(あくまでも主観的な意見です)

古い店だと既存店売上は低迷し、収益を圧迫されキャッシュも減少、改装に回す資金の調達も苦しくなり、同業他社に比べて更に古い店ばかりとなる、更なる競争力低下を招きます。こうなると手の打ちようがなくなり、産業再生機構入りとなるのです。
店舗の平均年齢の増加は負のスパイラルなのです。

ウォルマートのような潤沢な資金がある企業にはこのようなスパイラルはあてはまりませんが、今まで全米に年間300店舗出店と驚異的なスピードで成長してきた同社の出店スピードにブレーキがかかることは事実です。
ウォルマートの脅威はもはや競争相手ではなく世論であるようです。
今後のウォルマートが進むべき方向に注目していきたいと思います

▲本日の教訓▲
自社の店舗年齢を把握し、同業他社と比較分析することで、改装や商品構成の入れ替えなど対策につなげることができる


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by operationdesign | 2006-04-04 10:43 | 経営者、経営戦略


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