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2006年 12月 16日

無印良品の経営改革プロジェクト

このブログは企業の業務改革事例を調査と記録をすることで私自身の知識習得と小売業の問題解決のヒントにしてもらえることを目的に運営しています。

【コラム】
最近、良品計画に関するエントリーが多いですが、先日も「無印良品の改革」という同社の業務改革を書いた本を読みました。同社がしまむらの藤原会長を取締役に招き、抜本的な経営改革に取り組んでおられたのは有名な話で、私も大きな関心をもっていましたので、少し面白かった点をご紹介したいと思います。

良品計画が展開する無印良品が突然既存点売上が前年を割り始めたのは2000年からで、その後2003年までの4年間は毎年10%程度も既存店売上を割り続けました。赤字転落はされていませんでしたが、4年間も毎年10%ダウンすると単純計算で売上は6掛け程度になるはずで、危機的な状態におちいっていたことは間違いありません。そのような中、2001年に経営陣が交代し、2004年には既存店アップに転じたそうです。

そのような背景の中、現在の松井社長に変わってから、「ビジネスプロセス改革」「賃料最適化」「既存店営業力強化」「人材教育」など8つの経営改革プロジェクトを立ち上げられ、改革を進められてきたたそうですが、私が独自にまとめさせて頂くと
◆情報システム導入により衣料品の在庫コントロールを厳密に行い不良在庫を大幅に圧縮
◆著名なデザイナーと組んだり顧客の声を聞いたり、MDの付加価値を再構築
◆しまむら流の店舗開発・出店スタイルを導入
◆物流改革、本部の業務削減を行いコスト30%削減
このような点にまとめらることができます

中でも私がピックアップしたい具体的な内容は次の2点です
 ①クロスドッキング物流の中国への移管
 ②需要予測を活用したMDサイクルのウィークリーマネージメント

まずはじめに物流機能の中国移管ですが、最近、アパレルメーカーなどで店舗別の配分作業(クロスドッキング)を中国の物流センターでやる企業が増えています。良品計画もこれを実施し物流コストを大幅に削減されています。詳細は不明ですが、自社で行っていた配分作業をアウトソーシング業者に業務委託、3PLを行うことで自社物流は通過型物流として活用し売上比4.4%あったコストを3.7%まで低下することに成功したそうです。

荷物が小分けされた状態で輸入するわけですから、コストは増加するのかと思えますが、最近多くのアパレル企業がこの手の中国へのクロスドッキング物流移管を行っているので、効果があるのではと思っています。

そしてMDのウィークリーマネージメントですが、従来のアパレル企業のMDマネージメントは月単位の予算管理が主体であったと思いますが、実際にはバイヤーと取引先担当者の間で決定されていることが多く、そこには顧客の意見や現場の意見などは反映できない状態で、出来ない理由はマネージメントする立場の部長クラスが商談や仕掛状態、販売動向などを把握しきれていないためによるものであったと思われます。

しかしながらそのような大量の情報を把握できるにも昨今の情報技術の進歩により可能となり、無印良品ではデータウェアハウスという情報分析用のデータベースを構築し、データマイニングという分析ツールを使い、週間単位で予算と実績がリアルタイムに確認できるシステムを構築されたそうで、そのデータマイニングをバイヤーが使いこなし発注量やマークダウンを行っているそうです。

データマイニングでは他にも自動発注や需要予測にも使われており、社内の業務プロセスの中に構築されていることがうかがえます。このデータマイニングを使うと自動発注や需要予測機能があることは多くの人がしっているのですが、この機能を使いこなされている小売業は少ないはずです。

需要予測を使うにはパラメータ設定やマスタデータの入力が必要ですが、適用する予測モデル(移動平均や一次指数平滑など)はどれにするのか、安全在庫は何日にするとか、かなり数学的なこと勉強したうえで天候に大きく左右される商品特性も考慮にいれ、パラメータ設定内容を定義しなければいけません。使いこなすにはかなりの調査と研究が必要なのです。

アパレル商品は販売期間が短いのでシーズン末期には売れなかった在庫は必ず残ります。これを次シーズンまでにマークダウンを行い販売するというライフサイクルなので、そのシーズン末期に残るであろう在庫を見越して値入(売価設定)を行いますので、需要が予測やウィークリーでの在庫管理(マークダウンシミュレーションなど)ができるならシーズン末期の在庫が減らせることが出来ます。

シーズン末期の在庫が減らせれば余分な値入高を設定しなくて良くなりますので、売価は安くなり、顧客に還元できるのです。即ちこのようなソフトウェアを使いこなすことができれば同業他社よりも売価を下げることができ、尚且つ粗利益高を確保することができるのです。

少し長くなりましたが、同社ではこの改革プロジェクトの成果もあって2004年以降、既存店売上は100%を維持し、今期は最高益を更新する見込みで、もう完全復活したと言っても良い状態だそうです。

今後とも日本発の生活提案チェーンとして日本の日常を豊かにして頂けるような活躍を期待しています。


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by operationdesign | 2006-12-16 20:45 | 経営者、経営戦略


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